こんにちは。下関エリアで医療アートメイクをご提供している、看護師の吉村です。
私がアートメイクを初めて入れてもらった時、不安になったことの一つに、
『肌に入れるインクは、成分が安全なのか?』という疑問がありました。
患者さん側にたつと、遠慮してなかなか医療者に聞くことができないことがあることに気づきます。
施術する側に立った今、看護師の視点から得た知識で、色素の安全性についてお話ししたいと思います。
1. アートメイクの色素は、大きく分けて2つの種類
現在、アートメイクで使用されている色素は、大きく分けて「無機顔料(むきがんりょう)」と「有機顔料(ゆうきがんりょう)」の二種類が存在します。
この二つは、それぞれ特徴があり、双方の長所と短所を補う目的で混ぜ合わすことがあり、現在入手可能なアートメイクの色素の95%以上が、有機と無機の両方が混ぜたハイブリッド型です。
• 無機顔料
主に黒や茶色などを表現する成分です。耐光・耐熱・耐薬剤性が強いですが、着色力や発色が落ちる特徴があります。金属を含みますが、酸素と結びついて酸化されており、これらが直接アレルギーの主な原因となることは極めて少ないと報告されています。
• 有機顔料
主に赤や黄色など、鮮やかな発色を出すために使用されます。無機に比べ、耐熱・耐光性は劣りますが、発色が美しく透明性があり、退色しにくいという魅力があります。一方で、体内で分解される過程で、アレルギー反応を引き起こす原因になることがあると指摘されています。
過去の医学的な調査においても、アレルギー反応の報告は有機顔料に比較的多く見られる傾向があります。
体内で分解された化合物が原因となりますが、その代謝過程は複雑です。有機顔料を使用する際は、慎重に選択しなけれがなりません。
ヨーロッパの厳格な色素規制
数々の報告から2006年に、ヨーロッパ圏では、REACH法が施行され、欧州連合(EU)で販売されるすべての化学物質に対して、試験を義務付け、特定の化合物の使用を制限しています。2022年には、顔料に使われている数千の有害化学物質が規制、75項目に及ぶ規制色素とその濃度の規制が追加されました。
私は、安全性と品質基準を満たすように尽力し、このEU REACHに完全に準処する色素のみを使用しています。
2. 数ヶ月〜数年後に起こる「遅延型アレルギー」
アレルギーと聞くと、お化粧品が合わなくてすぐに赤くなるような症状をイメージされるかもしれません。
しかし、アートメイクの色素によるアレルギー(接触性皮膚炎など)は、施術後数日から数週間後に発症するものだけでなく、数ヶ月から数年という長い時間が経過してから、突然痒みや赤みとして現れるケース(遅延型)があると報告されています。
また稀に、色素という「異物」に体が反応し、しこり(肉芽腫)を作る「サルコイドーシス」といった皮膚症状のきっかけになる可能性もゼロではないとされています。
だからこそ「厳格な色素選び」が必要
ここで皆様に、医療従事者として正直にお伝えしなければならない事実があります。
それは、「どのような体質の方でも、100%絶対にアレルギーが起きない色素」は、現在の医学において存在しないということです。だからこそ、医療機関での施術が大切です。
美容の観点だけで発色の良さを優先するのではなく、厳格な化学物質規制などをクリアした、極めて安全性の高い成分で作られた色素を「医療の責任のもとで慎重に見極め、選択する」ことが不可欠なのです。
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